このツルンとした金属の塊のようなもの、さて一体何でしょう?知っている人は知っているの「ハクキンカイロ」という、何度も繰り返し使えるエコなカイロなんです。
カイロは自転車通勤の友
この季節、本当にしんどくなってくるのが運転中の風の冷たさ…防寒対策はしているものの、やっぱり真冬になると身につけている服や自分の体温だけでは、限界を感じてくる事があります。そんな時に頼りになるのが懐炉(カイロ)なんですよね。
今回は、私が愛用中のハクキンカイロについていろいろとまとめてみました!
ハクキンカイロってなに?
ハクキンカイロ株式会社が製造・販売しているロングセラー商品。1923年(大正12年)から製造しているということで、なんと90年も前から現在まで販売されているというから驚きです!
燃料にオイル(ベンジン)を使用していますが、直接火をつけて燃やしているのではなく、ベンジンの気化ガスがプラチナと接触して発熱する、科学原理を上手に利用した安全でクリーンなハイテクカイロなんです。
STANDARDとMINIの比較
ハクキンウォーマーはいくつかサイズ展開がありますが、今持っているものはスタンダードとミニの2種類。それぞれの違いをざっくりまとめると…
持続時間 | サイズ | |
スタンダード | 最大24時間 | 68×101×15(mm) |
ミニ | 最大18時間 | 58×87×13.5(mm) |
サイズと使用できる時間以外は、ほとんど同じ使い方・作りとなっています。このシンプルな違いが分かりやすいですね。
STANDARDに至っては、最大一日も連続で使えるのがすごいんです!使い捨てカイロだと、何個か持ち歩かなくては行けない場合でも、ハクキンカイロなら朝に準備すれば連続で一日中使っていられます。
シンプルなデザインが素敵
ぱっと見、金属の塊のような…とてもシンプルなデザインは、発売当初からほぼ変わっておりません。
真鍮製のケースはポッテリとした握りやすい形状で、キャップのスリットにはハクキンカイロのイメージキャラであるクジャクがかたどられていて可愛いです(少し残念なことに、使用中はケースにいれるのでなかなか見ることが出来ません…)
スマホ(iphone7)と比べると、このサイズ感。手のひらにもすっぽりと収まります。
ちなみに使うときだけ火を使用しますが、燃えているわけではないので、孔雀部分の通気口が確保されていれば、好きなケースを自作してもいいですよね。現在は、本体に付属していたものを使用中です。
ざっくりとした使い方をご紹介
1.まずは、本体からキャップと火口を外します。
2.脱脂綿が見える部分に、専用の漏斗をセットしてベンジンを好みの目盛りまで入れます。
3.漏斗をクルッと90度回転すると、ベンジンが脱脂綿の方に流れていきます。量も測れる専用漏斗が非常に便利!
4.火口をセットして、真ん中の部分をライターで温めます(プラチナの接触反応を開始させる温度を与えるため)火を火口に直接つけるのではなく、火口の近くで数秒間炙る(近づける)感じです。
5.火口の近くに手をあてて(触ると熱いよ!)、火口から熱気がポワーーンと出ているのを感じたらOK。本体は、すぐに熱々になるので孔雀のキャップをして袋にIN。わずか1分ほどで、本体がポカポカとしてきます。
▼動画のほうが断然分かりやすいです!あわせてどうぞ。
こんなところが好きです。
私はハクキンカイロのこんなところが好き!貼るカイロと比較してもこんなに便利なんです。
急に寒くなっても、すぐに使える
10月に入ると、突然気温が下がる日があったりしますよね。天気予報を見て、ちょっと寒いかな…と思った時に、ガサゴソと取り出してすぐに使えるのが良いです。
燃費の低さ
熱量は使い捨てカイロの約13倍!しかも温度は60度!使っている間は、まるでアツアツの缶コーヒーを持っているようです。
そんなパワフルなハクキンカイロですが、わずか25ccのべンジンで最大約24時間保温できる燃費の低さです。
使い捨てのカイロは、12〜14時間しか使用できないのに比べて、燃費の低さは抜群ですね。
カスタマイズ可能
ベンジンの量を調節すれば、使用時間のカスタマイズも可能なところが気に入っています。
と覚えておけばいいので、夜まで外出する時はいつもより燃料を多めに・数時間しか使わない時は半カップだけ入れてみたり。使用時間も自分で自由に決められるのが魅力です。
ゴミが出ない
これが自分の中ではかなり大きいです。前日の冷え切ったカイロが上着のポケットに入れっぱなしになっているという事がたまにあって、そのまま外出してしまうことも…。
ハクキンカイロは、使おうと思った時に必ず本体が必要になるので、出し忘れやうっかり放置してしまうことも一切無くなりました。
在庫も省スペース
使用する時に必要な道具は、本体・専用漏斗・ライター・専用ベンジンの4つ。ベンジンは500mlなので、ペットボトル一本分のスペースが必要ですが、後は小さな道具だけ。保管も省スペースです。
つくりがいい
現在も日本で製造されているハクキンカイロは、シンプルなプロダクトデザインが魅力です。持っているだけで、なんだか特別な気分になります(笑)
パッケージには有名なGのマークが。
調べてみると、2012年にグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞している製品でした。
▼ちなみに、LLビーンのトートも2017年度 ロングライフデザイン賞 を受賞しておりますね。
▼ロングライフデザインといえば、D&DEPARTMENT。品揃えも好きです。
メンテナンス部品が入手しやすい
シーズンになると毎日欠かせなくなるカイロですが、ハクキンカイロは交換部品も簡単に入手することができるので、毎年安心して使用することが出来ます。
火口:約1シーズン~2シーズン
驚くことに初期型から最新型まで交換部品である火口(触媒発熱部)は互換性を保っており、昔の製品も部品の交換をすれば使用可能なんだそうです。
ベンジン
メーカーから専用ベンジンが発売されていますが、基本的にはカイロ用であれば純正以外も使用可能です。コンビニでも販売されているZippoのオイルも使えるらしく、すぐに手に入りやすいのが良いですね。
電源が必要ない
専用のベンジンとライターなどの火があれば使う事ができますので、コードレスで使用することができます。
まあカイロなので電源が必要ないのは当然といえば当然ですが…。家の中で座っている時も、自分用ミニ湯たんぽ的な役割で使う事が多いので、電気ひざ掛けやアンカを使うよりも場所を選ばず自由に使うことが出来ますよ。
使用中はストーブに当たっているようなジンワリ感があるので、電気で温まるときより身体が怠くなりにくいです。
使用する時にちょっと気をつけたいこと。
なんだか良いことばかりご紹介してしまいましたが、ちょっとここは好き嫌いが分かれるかな?というところもいくつかありますよ〜。ハクキンカイロを使ってきて、私が気になったところはこの4つです。
使用前に準備が必要
使い捨てカイロは、袋から出してしばらくすると勝手に発熱するので本当に便利なんですよね。個包装されているので、予備の持ち歩きも便利です。
ハクキンカイロは、使う前にベンジンを入れて、ライターで炙って…といった一手間が必要になってきます。
実家にアラジンのブルーフレームがありますが、この一手間はアラジンのストーブと、とっても似ていると感じます…!どちらも、使う前のちょっとした儀式が結構好きだったりします。
オイルの臭いがする
肩や首など、顔に近い場所に使っていると、ほのかにベンジンのにおいがすることがあります。私はそんなに気になりませんが、苦手な人はきっと苦手なのかな…。腰や足元で使う時はそこまで気になりません。
好きな位置に貼れない
腰や肩、お腹などピンポイントで温めたい時に「貼るカイロ」って偉大だなー!って思います。ハクキンカイロは付属のケースに入れただけではポケットに入れたりすることでしか使えませんが、バンド付きのカイロケースに入れると「貼れない問題」も解決です。
逆に考えると、一度貼ってしまったらずっと同じ位置しか温めることのできない貼るカイロよりも、手が冷えたらサッと握ることができるハクキンカイロの方が、私はお気に入りです。
低温やけどに注意
ハクキンカイロは、ケースに入れて使う事を前提としています。(使用中の温度は約60度ということで、素手では触っていられないレベルでとっても熱いです!)
また、湯たんぽのような長時間同じ位置にあてるという使い方も低温やけどになりますので注意です。
私は、寝る前に布団の中に少し入れておいたり、使用中に熱いな…と感じた時は、ちょっと身体から外してみたり、布で巻いて調節してみたりしています。
愛着の出るものを長く使いたい
ちょっとメンテナンスや部品交換が必要だったり、使う前に一手間があったりすると、不思議と愛着が湧いてきますよね。
便利なものも沢山ある世の中ですが、ロングセラーの商品はそれなりの大きな理由があって、ハクキンカイロも部品を交換することで何年も使えたり、使用時間も自分好みにカスタマイズすることが出来たり、ちょっと手間はかかるけれど、上手に使いこなせるようになればいいこともいっぱい。
部品交換でリフレッシュしたり、ケースを自作したりして、この先も長く使っていけたらいいなーと思っています。この冬も、ハクキンカイロには毎日お世話になる予定です!
ちなみに、はじめてのハクキンカイロはSTANDARDサイズがおすすめです。火口とベンジンを吸い取る脱脂綿も、ネットで入手可能かつ、自分で取り替え可能なのはSTANDARDサイズのみ。24時間連続使用も可能ですから、野外で長時間居るときや、キャンプなどにも重宝しそうですよね。